ましゅまろの趣味日記

ツイッターで収まりきらず、ブログに至りました。

感想: 小説「わたしの幸せな結婚 二」

感想というより、個人の感情をぶつけるだけの文章です。
感想を投げるに必要な情報としてネタバレは不可避なので、ご注意を。

今更ですけど、表紙が1から2にかけて、お互い見向きもしてなかったのにチラッと横目で見てるのすごく良くないですか!?
いや、こういう構図からも関係性が透けて見えるのっていいですよね。

ということで、そんなこんなでただただ壁打ち、初読感想会になります。

感想

さあ、貴婦人の立ち振る舞いをと勉強始めた美世さん、初っ端から1巻同様の
『許容される範囲の行動を全て網羅する』
という傍から見ても無理を敢行する姿があったように思えます。
もちろん、清霞も心配そうにしていたりしていますけど、染みついた行動原理はなかなか変わらないんだろうな。

前回の感想には書いた記憶はありませんが、
清霞は櫛だったり、着物の件といい、行動はできる男ですよね。寡黙なおかげで感情を相手に見せなかったりしますけど。
でも、成長の片鱗は清霞にもあるように感じられ、ようやく、美世に言葉で許容を伝えているんですよ。
あの男が、「頼れ」と。
ずっと美世の安心できる場を作ろうとして「信用度が下がるから謝りすぎるな(意訳)」と言ったり、
あえて本人が隠したがっている物事を見なかったり、
かといって不干渉ではなく彼女が意思さえも閉じ込める要因となった義実家を調べ上げたりしている。

清霞の発言に含まれる表面の情報にあった信用と謝罪の関係性は難しいですよ。でも、彼なりに言いやすい形で行った結果、安心しろということが言葉の裏に隠れてしまっていたのかなと。
これを機に読み直していると、清霞も少なからずどういった温度感であれ「美世への好意」は存在していますし。ただこの男、好意は好意でも、どのラインなのか読者にも読み取らせないんですよね。どこですか。ここの解釈したいのに上手く落とし込めなくて、ずっと踠いてる。壁の私が踠いている。

かくかくしかじかで、美世は清霞の元を離れるという状況になりましたけど。
そのちょっと前に清霞の感情・考えの共有の少なさが裏目に出て、美世も自尊心の低さから考えの解釈が異常にネガティブに行き、
結果として1巻と同じように『苦から逃げるために意思を閉じ込める』選択肢が復活してるんですよね。
安心できる場であった清霞の隣も、本人の邪魔だと思われれば、虐げられず、苦のない方へ。そういったことから出た『どちらでも』の返答だったのだろうな。

ただ清霞が倒れた時には、美世は自分の意思で会いに行くことを請い、そして自ら危険をおかしてでも動いた!
ここに全てが詰め込まれていると思います。もう、ここよ。
清霞が迎えに行きたかったっていうのはわかる。

わかるんだけども、美世が動いたことが
『過去を乗り越えたか』
『他人(継母や異母妹、新)という圧力に対しても行動できるようになったか』
この証左になるのではないんでしょうか。

美世が意思を持ち、それを確立させたのが一巻であるなら、
意思を維持し、保持して、進展させたのが二巻の軸に思えます。

P.S.
「姉」の名はかなり乗り越えましたね、美世さん。
本当はここに感想入れ込みたいんですけど、6巻まで読んでしまったという事で、そっちの印象もあるかと思うので。
そのうちに。

ふぅ。言いたいこと言えた。でも文章能力は上がりませんね。